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生産者とともに育む、持続可能な有機梅づくり

MUSO有機梅100tプロジェクト

生産者とともに育む、持続可能な有機梅づくり

「こんな機会を作ってもらったのは初めてで、本当に感激しています」

2024年2月、和歌山県白浜町で開催された第1回MUSO有機うめの会。
集まった13名の生産者の方々から、こんな言葉をいただきました。
特に若い農家さんから多く聞かれたのは、「将来の安心」や「技術の継承」という言葉。
この声に応えること、それが私たちMUSOグループの使命だと感じた瞬間でした。


1. プロジェクトの背景と想い

 有機梅原料の慢性的な不足は、グループが長年抱えてきた大きな課題でした。有機農産物を安定的に確保するには、生産者の方々とより近く、より親密な関係を築くことが必要です。単なる売り買いの関係ではなく、お互いの想いを共有し、ともに歩んでいける。そんな関係性を目指して、MUSO有機梅100tプロジェクトは2023年にスタートしました。
 「作り手と売り手の想いとニーズをつなぐ、むすぶ、形にする」———これが、このプロジェクトのテーマです。生産者の方々が丹精込めて育てた梅を、MUSOグループが責任を持って商品化し、お客様のもとへ届ける。そして、その声をまた生産者の方々にフィードバックする。この循環を確立したいと考え、グループ各社の強みを活かし、原料調達から製品開発、国内販売、海外展開まで、一貫した体制で取り組んでいます

《4つの目標》
信頼関係の構築

生産者の方々と直接向き合い、お互いの想いや将来の展望を共有し続けること。売り買い以上の、本当の信頼関係を築くこと。

有機生産者の輪を広げる

一軒でも多くの有機生産者の方に参加していただき、特に若い世代の方々に「有機農業には未来がある」と感じてもらえる会にすること。

有機梅100tの安定確保

毎年100tの有機梅原料を安定的に確保できる体制を整えること。

グループシナジーの創出

生産を含めた一気通貫体制を構築し、MUSOグループ全体で新しい価値を生み出すこと

2.生産者とともに歩む取り組み

年に2回の「うめの会」

 プロジェクトの中心となるのが、定期的に開催している「MUSO有機うめの会」です。

 第1回(2024年2月)は和歌山県白浜町で開催。グループの組織や各社の役割をご説明するとともに、13名の生産者の皆さんからそれぞれの想いや現場の課題を聞かせていただきました。
 第2回(2025年1月)は大阪市中央区のMUSO BLDGで15名の生産者の方が参加。前年の活動を振り返り、今後の取り組み予定を共有しました。会議の後は、グループの小売店舗「ムスビガーデン大手通店」を視察。農家の方々が育てた梅が、どのように商品化され、販売されているのかを実際に見ていただく機会となりました。
 「MUSOグループの販路を知ることができて、自分たちが育てている梅が、どういう形で必要とされているのかがよく分かりました」——生産者の方々からいただいたこの言葉は、私たちにとって大きな励みとなっています。

第1回MUSO有機うめの会の様子

圃場訪問と収穫応援

 2025年5月には、和歌山県紀北かつらぎ町で、8名の生産者の方々とともに5つの圃場を回りました。2024年は記録的な凶作、2025年も厳しいと聞いていましたが、実際に訪れると想像以上に実が付いていました。生産者の皆さんが前年の経験を活かし、圃場拡大や生産方法の工夫など、様々な取り組みを重ねてくださっていたのです。
 何より印象的だったのは、うめの会を通じて生産者同士が自主的に情報交換を始め、翌年以降に向けて対策を練り合っていたことです。農家の方々のあいだで情報が活発に交わされるようになりました。
 また、毎年6月には、グループから数名が梅の収穫に参加しています。実際に梅の木の下に立ち、一つひとつ丁寧に収穫し、MUSOグループとして生産の現場を学ぶことも同時に進めています。

2025年5月圃場訪問の様子

3.これからの道のり

有機生産者のネットワークの拡大

 うめの会の参加者数も回を重ねるごとに増え、生産者同士のつながりも着実に広がりつつあります。これまで築いてきたMUSOグループと生産者、生産者同士の信頼関係は、このプロジェクトの最大の成果の一つでもあります。それをさらに強固にするため、定期的な情報交換会とあわせて、圃場訪問や収穫応援等を続けていきます。

2026年、100tの目標達成へ

 2026年以降、毎年100tの有機梅原料を安定的に確保できる体制を構築することが目標です。奈良県と和歌山県の生産者の方々と協力し、段階的に取扱量を増やしていく計画を進めています。この100tを、用途に応じてグループ全体で最適に振り分けることで、より良い商品開発・提供が可能になります。

今後の展望

 今後は、国内だけでなく、グループ会社の保有する海外ネットワークを活用し、海外市場への展開も進めています。アメリカ市場への有機梅ペースト販売や、年間2品以上の梅関連新商品の開発を目標に掲げ、日本の有機梅の素晴らしさを世界に発信していきます。
 このプロジェクトは、MUSOグループ各社の力を結集することで実現しています。原料調達から製造、商品開発、販売、海外市場への輸出まで、グループ会社それぞれが専門性を持ち寄り、一つの大きな目標に向かって進んでいます。

未来に向けて

「作り手と売り手の想いとニーズをつなぐ、むすぶ、形にする」というテーマを胸に、私たちはこれからも、生産者の方々とともに歩んでいきます。農家の方々が「有機農業には未来がある」と感じられる。そんな土壌を作っていくことも、このプロジェクトの大切な役割です。

 梅の木が大きく育ち、たくさんの実をつけるように、このプロジェクトも、時間をかけて、大きく育っていくことを願っています。生産者の方々との信頼関係を大切にしながら、2026年、100tという目標の達成に向けて、生産の現場と向き合い、ともに考え、ともに育てる取り組みとして、私たちの挑戦は続いていきます。

取材協力:坂元 直人(ムソー㈱)
構成・文:勝又 大輔(㈱MUSOホールディングス)